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2025/05/13 13:03:03

FXにおけるpips(ピップス)とは?その意味から損益計算まで詳しく解説

この記事は最後に更新されました 2025/08/12 11:55:35

FXにおけるpips(ピップス)とは?その意味から損益計算まで詳しく解説

FXを始める際、あるいはすでに取引をしていると、「pips(ピップス)」という言葉を頻繁に耳にするでしょう。これは、通貨ペアの価格変動を表す最も基本的な単位であり、損益を計算するために不可欠な概念です。

「pipsって具体的に何を指すの?」「なぜpipsで損益を計算するの?」「1pipsの価値って通貨ペアごとに違うの?」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。

この記事では、pipsの基本的な仕組みから、それがどのようにFX取引の損益と結びつくのか、そして通貨ペアごとの1pipsの価値まで、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。pips(ピップス)を正しく理解し、効率的なFX取引を目指しましょう。

pips(ピップス)とは?通貨変動の最小単位

pips(ピップス)とは、「percentage in point」の略で、FXにおいて通貨ペアの価格変動を表す共通の単位です。これは、通貨ペアの種類に関わらず、価格変動を比較する際に非常に便利な指標となります。

ほとんどの通貨ペアでは、小数点以下第4位(1/10000)が1pipsに相当します。例えば、米ドル/円が150.00円から150.01円に変動した場合、これは0.01円(1銭)の変動であり、1pipsの動きと表現されます。

なぜpips(ピップス)という単位が必要なのか?

為替レートは小数点以下の数字で細かく変動します。例えば、「米ドル/円が1銭上がった」「ユーロ/ドルが0.0001ドル上がった」という表現では、通貨によって桁数が異なり、変動の大きさを直感的に比較しにくいという問題があります。

そこで、すべての通貨ペアに共通する「pips」という単位を使うことで、通貨の種類に関わらず変動幅を統一して表現できるようになります。これにより、トレーダーは異なる通貨ペア間の値動きの大きさを簡単に比較し、損益の計算もしやすくなります。

  • 米ドル/円の場合:1pips = 0.01円 (1銭)
  • ユーロ/米ドルの場合:1pips = 0.0001ドル
  • ポンド/米ドルの場合:1pips = 0.0001ポンド

ただし、例外として日本円が絡む通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/円など)では、小数点以下第2位(1/100)が1pipsに相当します。これは、円が他の通貨に比べて桁数が多いため、第2位で数えた方が分かりやすいためです。

  • 米ドル/円の場合:150.00円 → 150.01円 (1pipsの動き)
  • ユーロ/米ドルの場合:1.0850ドル → 1.0851ドル (1pipsの動き)

pips(ピップス)と損益の関係:1pipsあたりの価値

FX取引における損益は、このpipsの変動と取引量によって決定されます。1pipsあたりの価値を把握することは、リスクとリターンを正確に理解する上で非常に重要です。

1pipsあたりの価値の計算方法

1pipsあたりの価値は、通貨ペア取引量、そして決済通貨によって異なります。

基本的な考え方: 

1pipsの価値(決済通貨建て) = (1pipsの変動幅) × (取引単位)

具体的な計算例を見てみましょう。FXでは、1ロット=10,000通貨単位が一般的ですが、FX業者によっては1,000通貨単位などもあります。ここでは1ロット=10,000通貨を基準に説明します。

  • 米ドル/円(USD/JPY)の場合(口座の基本通貨が円)

    1pips = 0.01円

    1ロット(10,000通貨)あたりの1pipsの価値 = 0.01円 × 10,000通貨 = 100円

    つまり、米ドル/円を1万通貨取引している場合、1pips動けば100円の損益が発生します。

  • ユーロ/米ドル(EUR/USD)の場合(口座の基本通貨が円)

    1pips = 0.0001ドル

    1ロット(10,000通貨)あたりの1pipsの価値 = 0.0001ドル × 10,000通貨 = 1ドル

    この1ドルを円換算する必要があるため、例えば、現在の米ドル/円レートが150円であれば、1pipsあたりの円価値は 1ドル × 150円/ドル = 150円となります。

    つまり、ユーロ/米ドルを1万通貨取引している場合、1pips動けば150円の損益が発生します(米ドル/円レートが150円の場合)。

このように、1pipsあたりの円換算価値は通貨ペアやその時点の為替レートによって変わるため、自分が取引している通貨ペアの1pipsあたりの価値を事前に把握しておくことが、正確な損益計算には不可欠です。

損益計算の例

実際にpipsを使って損益を計算してみましょう。

例:米ドル/円を1ロット(1万通貨)購入し、10pipsの利益が出た場合

  • 1pipsあたりの価値:100円
  • 利益pips:10pips
  • 総利益:100円/pips × 10pips = 1,000円

例:ユーロ/米ドルを1ロット(1万通貨)売却し、20pipsの損失が出た場合(現在の米ドル/円レートを150円とする)

  • 1pipsあたりの価値:1ドル × 150円/ドル = 150円
  • 損失pips:20pips
  • 総損失:150円/pips × 20pips = 3,000円

関連記事:FX取引の損益計算完全ガイド:基本要素から税務対応まで徹底解説🔗

pips(ピップス)とポイント/ピペッツの違い

FXのレート表示では、pipsのさらに細かい単位を目にすることがあります。それが「ポイント」や「ピペッツ(Pipettes)」と呼ばれるものです。

  • pips: 小数点以下第4位(円絡みは第2位)
  • ポイント/ピペッツ: 小数点以下第5位(円絡みは第3位)

例えば、ユーロ/米ドルが1.08500から1.08501に動いた場合、これは0.00001ドルの変動であり、「1ポイント」または「1ピペッツ」と表現されます。これは0.1pipsに相当します。

多くのFX業者では、レートを小数点以下第5位(円絡みでは第3位)まで表示しており、これによりより細かな値動きも確認できます。非常に短い期間での取引(スキャルピングなど)を行うトレーダーは、このポイント単位の値動きにも注目することがあります。

FX取引でpips(ピップス)を意識することの重要性

pipsの概念を理解することは、FX取引の成功に直結します。

1. 正確なリスク管理の基本

損切り(ストップロス)利確(テイクプロフィット)の目標をpipsで設定することで、客観的なリスク管理が可能になります。例えば、「この取引では最大30pipsの損失まで許容する」と決めておけば、感情に流されずに冷静な判断を下す助けになります。これにより、明確なリスクリワード比率(例:1回の取引で得られる利益が失う可能性のある損失の2倍、つまりリスク1に対してリワード2など)を設定しやすくなります。

関連記事:損切りと利確タイミングの基本|初心者向けトレード入門🔗

2. 取引戦略の立案と分析

移動平均線やボリンジャーバンド、フィボナッチといったテクニカル分析を行う際、過去の値動きをpips単位で把握することで、より具体的なエントリーポイントや決済ポイントを設定しやすくなります。また、自身のトレード記録をpips単位で分析することで、戦略の有効性を客観的に評価し、改善点を見つけ出すことができます。

関連記事:テクニカル分析とは?FXで相場を予測する基礎を徹底解説🔗

3. 異なる通貨ペアの変動性比較

前述の通り、pipsを使うことで、異なる通貨ペア間の値動きの大きさ(ボラティリティ)を統一的に比較できます。これにより、より変動の大きい通貨ペアや、リスクの高い通貨ペアを判断する材料になります。例えば、「今日のドル円は50pips動いたが、ユーロドルは80pips動いた」といった形で、市場の活発さを把握することができます。

関連記事:ボラティリティとは?海外FXにおける流動性との関係と注意点🔗

4. 証拠金との関係性の理解

ロスカットレベルや必要証拠金を計算する際にも、pipsの概念が基礎となります。自分の資金に対して、何pipsの変動でどの程度の損益が発生するのかを理解することで、適切な取引量を決定し、資金管理を徹底できます。例えば、「現在の資金で200pipsの逆行に耐えられるのは何ロットまでか」といった計算が可能です。

関連記事:初心者でも分かる!FXにおける必要証拠金とは?計算方法と注意点を詳しく解説🔗

5. スプレッドの理解

FX取引のコストであるスプレッドも、通常pipsで表示されます。例えば、「ドル円のスプレッドは0.3pips」といった表記は、取引ごとに発生するコストを明確に把握する上で役立ちます。

関連記事:FX取引コストの基本:スプレッド・手数料・スワップポイントの仕組み🔗

まとめ

pips(ピップス)は、FX取引における価格変動の共通単位であり、損益を計算する上で最も基本的な知識です。1pipsあたりの価値は通貨ペアや取引量によって異なりますが、その計算方法を理解し、常に意識することは、効果的なリスク管理と取引戦略の立案に不可欠です。

pipsの概念をマスターすることで、あなたはより冷静に相場を分析し、自身の資金に対してどれくらいのリスクを取っているのかを正確に把握できるようになります。これにより、感情に流されることなく、効率的で安定したFX取引へと繋がっていくでしょう。

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よくあるご質問

Q1. スプレッドもpipsで表されますか?

A1. はい、FX取引におけるスプレッドもpipsで表されるのが一般的です。例えば、「スプレッド0.3pips」といった形で表示されます。これは、買値と売値の差が0.3pips分あることを意味し、実質的な取引コストとなります。

Q2. 1pips未満の動きはどのように表現されますか?

A2. ほとんどのFX業者では、小数点以下第5位(円絡みの通貨ペアでは第3位)までレートを提示しており、これを「Fractions of a pip」(ピップス以下)と呼びます。例えば、米ドル/円が150.000円から150.001円に動いた場合、これは「0.1pips」または「1ポイント(Point)」と表現されることがあります。より細かい値動きを捉える際に使われます。

Q3. pipsは損益以外に何に使われますか?

A3. pipsは損益計算の他に、指値(リミット)や逆指値(ストップロス)注文の際にも使われます。例えば、「エントリー価格から20pips上で利確、30pips下で損切り」といった形で、具体的な目標やリスク許容度を数値で設定するのに役立ちます。また、過去チャートの値動き分析や、テクニカル指標のバックテストなど、トレード戦略の検証にも広く活用されます。

【免責事項】
本記事は、あくまで一般的な情報提供を目的としており、投資助言や推奨を行うものではありません。FX取引には、レバレッジ取引の特性などにより預託証拠金を上回る損失が発生する可能性があり、元本割れのリスクを伴います。投資の際は、ご自身の投資目的・財務状況・リスクを十分にご考慮のうえ、慎重に判断をお願いします。Cashback Islandは、本記事の内容に基づき行われた取引結果について、一切責任を負い兼ねます。

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