ECN（Electronic Communications Network）は、既存の証券取引所のシステムを利用せずに、インターネット回線を介して株式などの有価証券の売買を実現するシステムです。これにより、従来の取引所を経由する場合に比べて、取引時間の制約がなく、より迅速で柔軟な売買の執行が可能になります。

従来の証券取引所のシステムを利用する場合、有価証券の取引は取引所の開場時間に制約され、また取引所を介するために一定の手数料が発生します。しかし、ECNを利用することで、これらの制約を回避し、手数料の低減も実現できるのです。

日本では、このようなシステムは「私設取引システム（PTS、Proprietary Trading System）」と呼ばれています。私設取引システムは、証券会社などが独自に開設する株式市場であり、金融ビッグバン政策により規制が緩和され、取引所集中義務が撤廃されたことで日本でも広く利用されるようになりました。

ECNやPTSを利用することで、投資家やトレーダーはより効率的かつ柔軟な取引を行うことが可能となり、取引の多様性と利便性が向上します。