ECB理事会は、欧州中央銀行の最高意思決定機関であり、ユーロ圏の統一的な金融政策を担当しています。この理事会は、総裁・副総裁を含むECBの幹部6人と、ユーロ圏各国の中央銀行総裁で構成されています。定例的に月に2回、ECB本部のあるフランクフルトで会合が開かれます。

ECB理事会は、主にユーロ圏の物価安定を目指す金融政策を策定し、政策金利の見直しや金融市場の安定策などについて議論します。その後、会合後にはECB総裁による記者会見が行われ、市場で注目されます。ECBは、物価の上昇率を一定の範囲内に抑えることを主要な目標としており、金融緩和に対して慎重な姿勢を示しています。

ECB理事会は、政府の介入を禁じる法律によって高い独立性が確保されており、金融政策の決定には一人一票の多数決または合意によって行われます。しかし、議決権を持つメンバーが多いため、迅速な政策決定が難しい場合もあります。

ECB理事会の決定は世界経済に大きな影響を与えるため、注目されています。また、金融政策決定以外にも、人事制度やユーロ紙幣デザインなどの議題についても議論されることがありますが、これらは金融政策決定に比べて市場からの注目度は低い傾向にあります。