長期リファイナンス・オペはLTROと呼ばれ、LTRO（Longer-term refinancing operation）は、欧州中央銀行（ECB）が欧州債務危機に対応するために導入した金融政策の一つです。この政策は、主に欧州の銀行が直面する資金繰りの不安を解消することを目的としています。

具体的には、ECBが銀行に対して長期の資金供給を行い、市場における流動性を確保することを目指しています。これにより、銀行は安定した資金を得ることができ、資金調達リスクを軽減することができます。

LTROの特徴は、その長期性と供給額の無制限性にあります。これまでの欧州中央銀行の資金供給策は期間が短く、限定的な供給額であったため、LTROはその大幅な拡充を意味しています。

具体的な実施は、2011年12月に3年間の期間で供給額が無制限という大規模なLTROが実施されました。これにより、イタリアやスペインを含む欧州の銀行が合計で数千億ユーロもの資金を調達することができました。

しかし、LTROの効果については意見が分かれています。一部では、資金供給によって銀行の資金繰り不安が軽減され、金融市場の安定に寄与したと評価する声もあります。一方で、一時しのぎの策であり、根本的な問題解決には至っていないとの見方もあります。

LTROの長期的な効果や将来の展望については、今後の金融市場の動向や経済状況によって変化する可能性があります。