米国住宅着工・着工許可件数は、米国においてその月に住宅の建設が開始された件数（着工件数）や、着工前に地方建設事務所から許可が下りた件数（着工許可件数）を集計した経済指標です。この指標は、公共住宅を除いた一戸建てや集合住宅などの住宅区分別、および南部・西部・北東部・中西部などの地域別に発表されます。

住宅の建設が活発化すると、家具や家電などの耐久財消費にも波及し、個人消費に影響を与えるため、景気の先行指標として注目されます。ただし、天候などの影響を受けやすいため、季節調整済みの数字が発表されますが、月次の変動が大きいことに注意が必要です。トレンドを把握する際には、6カ月移動平均などを使用して安定した傾向を見ることが重要です。

住宅着工許可件数は、住宅の建設を始める前に取得された許可の数を示す統計です。着工許可を受けたほとんどの場合、実際に着工される傾向があり、住宅需要の先行指数としても注目されます。また、天候などの影響を受けにくいため、住宅着工件数と比較してデータの振れ幅が少なく、統計誤差も小さいとされています。

これらの統計は、米国内の住宅投資の動向や景気の好不調を把握する上で重要です。特に、着工許可件数の増加は、住宅ローン金利引き下げの数カ月後に起こる傾向があります。そのため、投資家や経済の関係者は、これらの指標を利用して市場の動向や将来の景気の展望を分析します。また、一般的には、3カ月移動平均などを利用して月ごとの変動が大きい場合でも安定した傾向を見ることができます。