為替相場決定理論は、自国通貨と外国通貨の間の為替レートがどのような要因で変動するかを分析する理論です。この理論は主に、古典派の「フローアプローチ」と近代派の「ストックアプローチ」という2つのアプローチに分かれています。

フローアプローチは、一定期間内に発生した対外取引の受け取りと支払いの金額から為替変動を予測する方法です。一方、ストックアプローチは、投資資産に占める外貨資産の割合から為替変動を予測します。

フローアプローチは、流れを意味し、一定期間内に動いた所得や支出を指します。フローアプローチには、国際収支説（国際貸借説）や購買力平価説など、固定相場制の為替市場において提唱された理論が含まれます。

一方、ストックは在庫量を意味し、ある時点での資産残高を指します。ストックアプローチは、1970年代以降の変動相場制を背景にした理論で、アセットアプローチなどがあります。

重要なのは、近代派理論が古典派理論よりも優れているわけではないという点です。場合によっては、古典派理論の方が為替レートの説明に適していることもあります。