銀行などの金融機関は、構成員や顧客から集めた大規模な資金を使い、株式や債券などの投資運用を行っています。こうした大口の取引を行う団体は機関投資家と呼ばれます。機関投資家には銀行、生命保険会社、信託銀行、年金基金などが含まれます。これに対して、個人で投資を行う人々は個人投資家と呼ばれますが、機関投資家は個人投資家よりもはるかに大きな金額を運用するため、市場に与える影響も大きくなります。

機関投資家の運用手法はそのタイプによって異なりますが、一般的には「長期運用」が多く、明確な投資プランやルールに基づいて運用されています。機関投資家は、リスク管理を厳格に行い、決算期もあるため、相場のタイミングを捉えた迅速な運用が難しい場合があります。そのため、最終的に顧客に対して説明できるような「無難で妥当な運用」をする傾向があります。

機関投資家は、取り扱う資金の金額が非常に大きいため、その売買活動によって市場価格が急激に変動することがあります。このような市場への大きな影響力を持つため、機関投資家による相場の操作を防ぐための厳格な基準が設けられています。

また、機関投資家の運用期間は数年から数十年と長期にわたります。顧客にしっかりとした運用内容を説明できるよう、リスク管理や投資プランが厳密に設定されているのも特徴です。機関投資家はこのようにして、市場への影響力を持ちながらも、安定した運用を目指して活動しています。