全国企業短期経済観測調査、通称「日銀短観」は、日本銀行が国内の資本金2000万円以上の企業（約1万社）を対象に、業績、設備投資、雇用状況などを調査し、四半期ごとに発表する経済指標です。この調査の目的は、全国の企業動向を正確に把握し、適切な金融政策の運営に役立てることです。

日銀短観では、企業の現状や将来の業況に関する判断、事業計画に関する実績と予測など、企業活動全般について調査します。この調査は、全国の企業に対して四半期ごとに行われ、海外でも「TANKAN」として広く認知されています。

調査対象企業が1万社を超えるにもかかわらず、日銀短観の集計結果は調査月の翌月に発表されます。この迅速さは他の経済指標にはあまり見られず、世界的にも異例です。さらに、調査対象企業の回答率は99％前後を維持しており、日本の短期的な景気動向を把握するのに非常に有用な統計となっています。

FX取引においては、日銀短観の結果が前回と比べて良くなったか悪くなったかを確認することが重要です。調査結果が良くなれば、景気が良いと判断され、インフレが進み、金利引き上げなどの政策が実施される可能性があります。その結果、為替レートが上昇し、「円高」傾向になることが多いです。逆に、調査結果が悪化した場合、デフレが進み、「円安」傾向になるリスクがあります。