クロス取引は、為替市場において米ドルを介さずに通貨取引を行う方法を指します。通常、為替取引では米ドルが中間通貨として利用され、他の通貨との交換レートは米ドルを介して計算されます。しかし、クロス取引では直接異なる通貨同士の交換レートで取引が行われます。

たとえば、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円など、米ドル以外の通貨同士の取引がクロス取引に該当します。円クロスの場合、米ドルを介さずに円と他の通貨の交換レートで取引が行われます。

クロス取引は、為替市場において米ドル以外の通貨同士の相対価値に注目する場合や、米ドルの影響を受けずに特定の通貨同士の相対価値を取引する場合に有用です。

また、節税対策などの目的でクロス取引が利用されることもあります。例えば、株式の利益にかかる税金を回避するために、含み損を確定させてクロス取引によってポジションを再構築する方法があります。これによって、税金を節約することができる他、株式の含み損も解消されるという利点があります。

クロス取引は、為替市場や他の金融市場で幅広く利用される手法であり、特定の目的や戦略に応じて柔軟に活用されます。