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2025/09/17 11:47:35

CFDでも配当金は受け取れる?権利調整額の仕組みを完全解説

CFDでも配当金は受け取れる?権利調整額の仕組みを完全解説

「CFDでを取引しているけれど、配当金はもらえるの?」

現物の株式投資では、株を保有していると企業から配当金が支払われます。しかし、CFDは現物を保有しない「差金決済」の取引です。この点が、多くの投資家が抱える疑問の源泉となっています。

この記事では、CFDと配当金の関係を徹底的に解説します。CFDがなぜ「配当調整額」という特殊な仕組みを採用しているのか、そしてそのメリット・デメリットまで、深く掘り下げていきましょう。

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株の配当金とは?基本的な仕組みを理解する

まず、CFDの仕組みを理解する前に、現物株の配当金についておさらいしておきましょう。

配当金とは、企業が事業活動で得た利益の一部を、株主(投資家)に還元するものです。企業によって配当金の支払い方針は異なりますが、年に1回または2回、特定の「権利確定日」時点で株を保有している株主に対して支払われます。

投資家は、株価の値上がりによるキャピタルゲインだけでなく、この配当金によるインカムゲインも投資の目的とします。

CFDでも配当金はもらえる?「配当調整額」の仕組みを徹底解説

CFDは、現物の株式を保有するわけではありません。しかし、株価指数や個別株のCFDを取引する場合、現物株と同様に配当金相当額を受け取ることができます

この金額は、CFDの世界では「配当調整額」と呼ばれ、以下の仕組みで支払われます。

買いポジションを保有している場合

買いポジションを保有している投資家は、現物株の配当金の権利確定日をまたいでポジションを持ち続けることで、配当調整額を受け取ることができます

これは、CFD業者が市場で現物株を借りて、買いポジションの投資家に対して、現物株の配当金と同額を支払うことで、取引の公平性を保つためです。

売りポジションを保有している場合

売りポジションを保有している投資家は、配当調整額を支払う必要があります

これは、売り手側が現物株を借りて売っていると仮定されるためです。現物株の買い手は配当金を受け取るため、その分を売り手側が負担する、という構図になります。

配当調整額は、株価の配当落ち日(権利落ち日)に反映されます。配当落ち日には、株価が配当金の金額分だけ下落する傾向があります。このため、配当調整額を受け取っても、株価の下落によって相殺されることが多く、受け取った金額=利益とは必ずしもなりません。

CFDで配当金相当額を狙うメリットとデメリット

CFDで配当金相当額を狙うことには、現物株の投資とは異なるメリットとデメリットがあります。

メリット

  • レバレッジをかけて配当相当額を狙える
    CFDはレバレッジをかけて取引ができるため、現物株を購入するよりも少ない資金で大きなポジションを保有し、配当金相当額を狙うことが可能です。これは、少額からでも効率的にインカムゲインを狙いたい投資家にとって大きな魅力です。
    関連記事:FXにおけるレバレッジとは?仕組みから活用法まで詳しく解説🔗
  • 現物株の保管コストがかからない
    現物株のように株券の管理や保管コストを気にする必要がありません。すべてオンライン上で完結し、手軽に取引ができます。
  • 現物株にはない「売り」での配当調整額の支払い
    これはデメリットにもなりますが、株価下落を見込んだ「売り」ポジションを長期的に保有することで、配当調整額を支払う義務が発生します。これは、現物株の投資にはないCFD特有の仕組みであり、戦略によっては考慮すべき点です。

デメリット

  • 売りポジションだと支払い義務が発生する
    配当金の権利落ち日をまたいで売りポジションを保有している場合、逆に配当調整額を支払う義務が発生します。短期的な売り戦略の場合でも、この点には注意が必要です。特に、配当利回りの高い銘柄を空売りする際には、支払い額が大きくなるリスクを認識しておくべきです。
  • 配当調整額が株価変動で相殺される可能性がある
    配当落ち日には、株価が配当金の分だけ下がる傾向にあります。そのため、配当調整額を受け取ったとしても、株価の下落によって最終的な損益はマイナスになる可能性があります。「配当調整額を受け取ったのに損をした」という状況も起こりうるため、トータルでの損益を常に把握しておくことが重要です。
  • 配当調整額は変動する
    配当調整額は、CFD業者の設定や市場の状況によって変動する可能性があります。現物株の配当金のように、企業が発表する金額と完全に一致するわけではない点に注意が必要です。

CFDで配当調整額を狙う際の注意点

配当調整額は魅力的に見えますが、安易に狙うと意図せぬ損失を被る可能性があります。CFDで配当調整額を狙う際には、以下の点に注意しましょう。

1. 権利落ち日の株価変動を考慮する

配当落ち日には、株価が配当金の分だけ下落する「配当落ち」が起こります。CFDの買いポジションを保有していれば配当調整額を受け取れますが、それと同時に株価の下落による評価損が発生します。単純に配当調整額だけを見て取引するのは危険です。

2. スプレッドや金利コストも考慮する

CFD取引には、スプレッド(売値と買値の差)や、ポジションを日をまたいで保有する際のオーバーナイト金利(ファンディングコスト)といったコストがかかります。これらのコストが、受け取る配当調整額を上回ってしまうと、最終的に利益が出ない可能性があります。

関連記事:FX取引コストの基本:スプレッド・手数料・スワップポイントの仕組み🔗

3. 売りポジションの危険性を認識する

「配当調整額を支払う義務」は、特に注意すべきリスクです。配当落ち日をまたいでCFDの売りポジションを保有し続けた場合、市場の動きとは别にコストが発生することになります。これを理解せずに取引を行うと、想定外の損失につながるため、十分に注意が必要です。

まとめ

CFDでも「配当調整額」という形で、配当金相当額を受け取ることができます。これは、現物株を保有しなくても、配当金の支払いが発生するタイミングで、CFDの買いポジションに利益を、売りポジションに損失を発生させる仕組みです。

投資家は、この仕組みを理解し、買いポジションで配当調整額を受け取る戦略を立てることができますが、同時に、配当落ちによる株価の下落や、売りポジションでの支払い義務といったリスクも考慮することが重要です。

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よくあるご質問

Q1. 配当調整額はいつ支払われますか?

A1. 配当調整額は、現物株の配当落ち日に合わせて、CFD口座に反映されます。具体的なタイミングはCFD業者によって異なりますが、一般的には配当落ち日の早朝、ポジションを保有していれば自動で決済されます。

Q2. CFDで得た配当金に税金はかかりますか?

A2. はい、CFDで得た配当調整額は投資の利益として課税対象になります。CFD全体の損益に合算して計算されるため、年間損益がプラスであれば、確定申告が必要になります。

Q3.CFDの配当調整額は現物株と比べて有利ですか?

A3. 一概には言えません。CFDはレバレッジをかけて大きなポジションを持てる点がメリットですが、現物株は長期保有で株主優待を受けられる場合もあります。ご自身の投資スタイルや目的に合わせて、どちらが有利かを検討しましょう。

【免責事項】
本記事は、あくまで一般的な情報提供を目的としており、投資助言や推奨を行うものではありません。FX取引には、レバレッジ取引の特性などにより預託証拠金を上回る損失が発生する可能性があり、元本割れのリスクを伴います。投資の際は、ご自身の投資目的・財務状況・リスクを十分にご考慮の上、慎重に判断をお願いします。Cashback Islandは、本記事の内容に基づき行われた取引結果について、一切責任を負い兼ねます。

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